ウェルスナビとTHEOって何が違うの???

おはこんばんにちは。きゅうべいです。

今月6日に、THEOを提供するお金のデザイン社がプレスリリースを出しました。

https://www.money-design.com/news/2017-07-06

今月末より、SBI証券/住信SBIネット銀行と組んで 「THEO+[テオプラス]」を始めるそうです。SBI証券といえば現在「ロボアドバイザー投資」と銘打って大々的にウェルスナビをプッシュしておりますが、ここに競合である「THEO」も選択肢に加わることになります。

はたしてウェルスナビとTHEOのどちらがいいのか? っていうかそもそも何が違うのか?

まだ細かいサービス内容が発表されておりませんが(注)、本日は両者の本質的な違いにフォーカスしてお届けいたします。

注:2017年8月2日追記:サービスが始まり、やっぱり直販と同じ内容でした。

共通点1:どちらもロボアドバイザー

ウェルスナビもTHEOも、サービスカテゴリとしては「ロボアドバイザー」です。ロボアドバイザーは、大金持ち向けの丸投げサービスである「プライベートバンク」をソフトウェアを用いて誰でも使えるように安くしたサービスです。ここ数年来流行りの「FinTech(フィンテック)」の一種であり、「金融の民主化(=貴族=大金持ち以外でも皆が似たようなサービスが使える)」という革命の目玉として、アメリカで火が付きました。

最近日本では、みずほ銀行の「Smart Folio」のような”なんちゃってロボアドもどき”が増えてきました。本来の意味でのロボアドバイザーの定義は、以下の2要件になります。

・投資顧問契約を行うこと(ロボットにアドバイスをもらうこと)
・投資一任契約を結び、ロボットに運用も丸投げすること

つまり、アンケートに答えるとソフトウェアが「何をどのくらい買ったら良いか」のポートフォリオをオススメしてくれて、さらにそのオススメにしたがって勝手に買っておいてくれるサービスです。

THEOとウェルスナビは、この大元の意味での「ロボアドバイザー」そのものです。「何をどのくらい買うと、どのくらいリターンとリスクが見込めるのか?」というのが自分で判断できない/よくわからない人には理想的なサービスと言えます。

更に言うと、なんとなくイメージ的に、人間の「銀行員」「証券窓口の相談員」に相談すると、ボッタクられてカモられそうじゃないですか(笑)。実際ほとんどはそうなんですけど、これがソフトウェアに相談するとなった途端になんとなく「無機質」「無感情」「淡々と」「理路整然と」教えてくれそうな気がしませんか?これ、冗談でも何でも無く、アメリカでロボアドが流行った一番の理由だと思います。

共通点2:どちらもETFを利用

さらに共通点として、両者ともETF商品を用いてポートフォリオを組む点が挙げられます。一般的に、ETFの方が投資信託よりも信託報酬が安く、長期保持するにはETFの方が有利です。ただし、自分でETFの個別銘柄を毎月積立ようと思うとかなり手間がかかります。

ロボアドはあくまでもソフトウェアが運用を行うサービスですから、手間がかかることもお手の物です。THEOもウェルスナビも、商品として優れたETFを用いて、ユーザーのインデックス分散投資をサポートしてくれます。

決定的な違い:アクティブかパッシブか

そんな似たり寄ったりのウェルスナビとTHEOですが、当然まったく同じサービスならSBIも両方を担いだりしません。この両者には根本的な部分に決定的な違いが有ります。

それは、THEOがアクティブ運用であり、ウェルスナビがパッシブ運用である点です。

ロボアドは、上記のとおり個々人にあったポートフォリオを提案・自動で維持してくれるサービスです。その意味では、これはバランス投資信託の一種と見ることができます。

バランス投資信託はもちろん皆に広く販売するユニバーサルな商品ですから、資産の割合は元から決められており、個人のわがままを聞いてくれません。しかしロボアドの場合、個々人にあった資産の割合をオーダーメイドで運用してくれます(※厳密には多くの選択肢のなかから選ばせてくれています)。

投資信託にはアクティブ投信とパッシブ投信があります。

アクティブ投信というのは、いわゆるファンドマネージャー=株の目利きが、大儲けをするために上がりそうな株を選んで売買するファンドです。日本でも「さわかみファンド」や「ひふみ投信」など、よくテレビに出る名の知れたアクテイブファンドが多くあります。

一方のパッシブ投信というのは、特定の経済指標やベンチマークといった「機械的なルール」に則って銘柄をパッシブ=受け身で売買するファンドです。パッシブ投信の中でも特定の指標=インデックスに連動するものを「インデックス投信」といいます。

一般的に、世界分散投資というと多くはパッシブファンドを用います。当ブログでも何度も出てきていますが、例えばバートン・マルキールしかり、チャールズ・エリスしかり、パッシブファンドを用いて世界中の経済指標に分散投資をする「インデックス分散投資」は、ある一定の支持を集めています。

さて、前述のように、THEOはアクテイブ・バランスファンドであり、ウェルスナビはパッシブ・バランスファンドです。どちらもアイテムとしてはインデックス型のETF・ETNを使っていますが、その運営方針がまったく違います。

THEOは、毎月/四半期ごとに世界のどの国・どのカテゴリの経済が伸びるかを予測し、銘柄をコロコロ入れ替えながら市場平均を上回ろうとするアグレッシブな運用を行います。当ブログの「THEO実践レポート」カテゴリで実際の入れ替えの様子をご報告していますので、もしご興味があれば覗いてみてください。

対するウェルスナビは、予め決めた広範囲に分散するインデックスETFをただひたすら買い増し・保持し続け、手堅く市場平均を狙いにいきます。こちらは米国株、日欧株、新興国株、米国債券、金、不動産、物価連動債というカテゴリ毎にETFを1つだけ選定し、ただそれを買うだけです。銘柄の入れ替えは今の所見たことがありません。

つまり、仕組みやビジネスモデルは同じでありながら、THEOとウェルスナビは本質的にまったく別物であるということです。
投資カテゴリでいいますと、THEOはオルタナティブ投資の中のアクティブ・インデックス・ファンドになります。一方のウェルスナビは分散投資のコア部分に当たります。

ちなみにですが、厳密に言うと、THEOが「ロボアドバイザー」と言えるかはかなり怪しいです。カテゴリごとの配分を決める部分はロボですが、肝心要の一番最後に銘柄・投資範囲を決めているのはTHEOの中の「アカデミックアドバイザーである加藤康之京都大学特定教授、資産運用部、その他資産運用のプロフェッショナルによって構成される投資委員会(引用:https://www.money-design.com/news/2017-03-14)」なる人間集団です。アメリカのロボアドバイザーでポートフォリオ選択に人間の相談員も絡む「ハイブリッド型ロボアドバイザー」というのはありますが、運用自体にも人間が絡む場合、これはただのアクティブ・ファンドと言います(笑)。

どうやって使い分けたらいいのか?

まず一般論として、アクティブファンドがコンスタントに市場平均リターンを上回るのは難しいと言われております。個人の好みではありますが、少なくとも自分の投資資金の中心をアクティブ・ファンドで作るのはあまり得策とは言えません。
もっともオーソドックスな投資は、分散投資を中心に据えて、それでも満足できない部分を個別株の集中投資やアクティブファンドなどでカバーする方法です。投資に慣れてくると個別株だけで分散ポートフォリオを組んだりできるようになるのですが、それができる人にはロボアドは不要です(笑)。

そうすると、今の貴方の投資状況によってTHEOとウェルスナビを使い分けることが出来ます。

もし貴方が既にETFやインデックス投信を使って分散ポートフォリオを組んでいる場合、そこにプラスしてTHEOに少額投資することで、いわゆるパッシブ・オルタナティブ運用が出来るようになります。パッシブ・オルタナティブ運用は、日本の年金総本山GPIFやハーバード大学などのエンダウメントも用いる由緒正しい投資手法です。少なくとも何をされるか分からない一般的なアクティブファンド/ヘッジ・ファンドよりは、中身が見えている分THEOの方が安心感があります。

一方、もし貴方が個別株投資しかしていない場合、手っ取り早く分散投資を行うのにウェルスナビが使えます。こちらはTHEOのようなアクティブ・ファンドよりも「儲けの爆発力(a.k.a. まぐれ当たり)がない代わりに大損もしにくい」運用になります。個別株が多すぎて日々の値動きが大きすぎる方や、日本株のみに資産が偏っている方は、分散投資部分を持つことでリスクの低減とリターンの安定化を図ることが出来ます。

もしいま全く投資をしたことがない方は、例えば「投資金の8割ぐらいをウェルスナビにして、のこり2割をTHEOにする」というような配分にすることで、簡単にパッシブ・オルタナティブ運用の形を作ることが出来ます。もちろん、ご自身のリスク許容度に合わせて割合は変動します。リスク選好の方はTHEOを厚めに、リスク拒絶型の方はウェルスナビを厚めにしてバランスをとりましょう。

身も蓋もない個人的な見解

さて、ここまでは完全に鉄面皮で「一般的に」を多用した事務的説明をして参りました。ここから先がたぶん検索で当ブログに辿り着いていただいた方が聞きたいであろう、ぶっちゃけタイムです(笑)。

そもそも手数料1%超えのアクティブファンドが要るか?

個人的な見解を言わせて貰えば、少なくとも証券口座を開いた時点で多少なりとも株式投資に興味がおありなのでしょうから、アクティブ・ファンドにあまり用はないです。

株式投資で一番楽しいのは銘柄選定やスクリーニングをしている時であり、それが綺麗にハマって思い通りに儲かった時です。その1番の楽しみをわざわざ高い手数料を払ってファンドに丸投げするってのがあんまりシックリ来ません。そもそもアクティブな運用は投資を趣味として楽しむパートであるわけで、統計的かつ理論的に考えるだけならインデックス分散投資で十分なはずです。

インデックス分散投資としてのツールなら可能性はある

その逆に、インデックス分散投資ってのは理論上は大切なんですが、なんせつまらないんですね(笑)。決めた配分を事務的に積んでくだけですから。せっかくロボアドを使うんだったら、そういうつまらない上に面倒くさい部分を自動化した方がいいんじゃないかと思います。

さらに言うと、長期保有のファンドとして見た時には、アクティブなTHEOよりもパッシブなウェルスナビの方がリターンを得られる可能性が高いです。実際のところは未来になってみないとわかりませんが、奇跡的に短期間だけTHEOの方がリターンで上回ることがあっても、数年単位の長期であればウェルスナビの方が高くなるはずです。理論的に考えて、銘柄の頻繁な入れ替えにより都度税金で元手を減らすTHEOより、税金を繰り延べて保持し続けるウェルスナビの方が複利的に有利なのは自明です。

ですから、基本的にTHEOにはあまり多くのお金を突っ込むことを避け、使うにしても景気上昇局面の短期間だけ「投資を楽しむスパイスとして」手を出す遊びレベルに止めた方がいいです。間違ってもTHEOで儲けようと思ってはいけません。

上記の言い方を逆転すると、ウェルスナビのやっていることは面倒くさくてつまらないだけで自分でも出来ます(笑)。つまり、知識が充分にあって、かつ、ある程度仕組み作りが終わっている投資経験者の方にはロボアドは全くもって不要です。具体的には、インデックス投資信託(ニッセイシリーズやたわらシリーズ、eMAXIS Slimなど)を使って定額積立&銀行から自動引き落としみたいなシステムが組めていれば、それはもうロボアドと大差ありません。ウェルスナビには「年末の反対売買による利確・損出し」という税金繰り延べ機能があるんですが、それが優位に働くほどの資金をウェルスナビに預けると、手数料がエラい事になって税金繰り延べどころじゃなくなります。

手数料が高いので、自分で出来るようになる方がいい

2017年7月時点でTHEOもウェルスナビも手数料が1%もかかりますので、1000万預けたら年間10万円コストがかかります。それならツマらなくても自分で我慢してやって、自分へのご褒美としてプレミアムモルツでも飲んだ方が安くつきます(笑)。

当ブログでは再三書いていますが、ロボアドは投資初心者の方が分散投資のお手本を勉強するためと、超大金持ちの方がコストをあまり気にせず丸投げしてほったらかしておく為のツールです。初心者の方は、例えば「ウェルスナビで分散のやり方をざっくり覚える」→「インデックス投資信託を使って自分でウェルスナビの真似をしてみる」→「投資信託から同クラスのETFへ乗り換えてみる」→「ETFの一部を個別株に置き換えてみる」というような推移で投資を勉強してみると、理解が早まると思います。

まとめ

ここまでぶっちゃけてきましたが、私はウェルスナビについては初心者以外にも積立金の一時置き場として使い手があると思っており、実際にそうして利用しています。具体的には月に数万円をウェルスナビに積み立てて、ある程度溜まった時点で自分の特定口座での投信なりETFに移し替えるやり方です。一方のTHEOについては、ある意味リターンの少ないスマートベータETFみたいな扱いで付き合っています。正直要らないんですが、何と無く動きやお金のデザインのレポートが面白いんで最少投資金だけ入れてます(笑)。

そんなわけで、ぜひ皆さんもご自身の資産運用にロボアドを活用してみてはいかがでしょうか?最後にものすごい白々しく強引なまとめ方になったのはご愛嬌ということで^^;

P.S. 真面目な話、THEO、ウェルスナビ、投信工房あたりのロボアドの診断だけとりあえずやってみて自分の傾向を探るのは面白いと思います。申し込むかどうかはともかくとして、意外とみんな似たようなポートフォリオを勧めてくるはずです。

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