おはこんばんにちは。きゅうべいです。
株式の受け渡しは約定後3営業日後です。年内は30日まで(大納会)ですから、今日約定分から2017年度NISAの枠が利用できます。皆さん、2016年枠はフルに使えたでしょうか?私は11月に残り枠が400円になるまで「iシェアーズ TOPIX ETF(1475)」で目一杯埋めました。
さてさて、このNISA。当然一年間で一番安い地合いの時に買うのがセオリーです。2016年であれば、正解はブレクジット直後の6月末~7月頭です。私は10月に使ったので小当りぐらいでした^^;
そんなこんなで、本来であれば慎重に大局を見極めて使うものです。なんですが、私もういきなり2017年分をちょっと使っちゃいました(笑)。
今回手を出したのは「日本たばこ産業(2914)」。そう、JTです。とりあえず3,836円で100株。2016年1月をど天井にしてどう見ても下がり途中の銘柄を何故買ったのか、、、という話です。私はアメリカ株でも「アルトリア・グループ(MO/旧フィリップ・モリス)」をもっており、「タバコ銘柄」は大好きです。個人的にはタバコそのものは嫌いで吸わないんですけどね(笑)。
日本たばこ産業の魅力
強力なユーザー基盤
なんといってもJTの一番の魅力は、日本全国に大量のヘビーユーザーを抱えていることです。あんなに不健康にも関わらず、街の喫煙所にはタバコユーザーが溢れ、条例で取り締まろうが罰金をとろうが、当たり前のように歩きタバコをしています。つまり、中○者スーパーヘビーユーザーを大量に抱えています。
生活消費財の一番大切な点は「”それが無くては生きていけない”という熱烈なファンを大量に抱えること」です。コカ・コーラしかり、マクドナルドしかり。こういったものが好きな方は、「健康に悪い」とか「家計にダメージ」とか言っても聞く耳を持ちません。だって愛してるんですから。どんなにマクドナルドが高くなったとか言っても、いつ見ても行列しています。それと同じく、一日のうちで喫煙者を一回も見ないという日はありません。ヘビースモーカーは当たり前のように1日1箱消費しています。2016年は電子タバコのiQOSが大ブームとなりました。しかし、友人に聞いてみたところiQOSはバッテリーがあまり持たないんですね。しかも「軽い=ガツンとこない」らしいんです。私の周りのユーザーはiQOSを二個買うか、結局普通のタバコと交互に吸ってチェーンスモークしています(笑)。だから、すくなくとも法律で重罪にでもならない限り、旧来のタバコユーザーはいなくなりません。強固なマーケットを確保しています。JTの調査によると、平成28年度の喫煙率は男が29%、女が約10%です。こんなにユーザーを抱えているブランドはありません。十分でしょう。仮にユーザーが減ったら、値段を上げればいいだけです。いまのユーザーは1箱1,000円になったって喜んで吸ってくれるでしょう。こういう業種はインフレに強いです。物価上昇や税金上昇に沿って売値を上げられますから、常に利益は守られます。
ちなみに、iQOSはアルトリア・グループの商品なので、仮に旧来のタバコが全滅して電子タバコ一色になっても、どっちみち私のリターンになります(笑)。
圧倒的なブランド力
JTの国内シェアは公式サイトにでていました。
(単位:億本、%) 2016年
1~3月2016年
1~6月2016年
1~9月2016年
1~12月JT国内紙巻販売数量 272 527 797 1,062 国内紙巻総販売数量 435 862 1,308 1,738 JTシェア 62.4 61.1 61.0 61.1
だいたい国内シェア60%くらいで堅調な推移ってところです。ほぼ独占力があると見て良いでしょう。これなら十分に「ブランド力がある」と言ってしまっていいのではないでしょうか?
ちなみにZUU Onlineの記事によると、たばこのメーカー別世界ランキングはこんな感じです。
世界最大のたばこメーカー9社
1位 インペリアル・タバコグループ(英)391億ドル/約4兆9965億円
2位 フィリップ・モリス・インターナショナル(米)262億ドル/約3兆3481億円
3位 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英)200億ドル/約2兆5557億円
4位 日本たばこ産業(日)192億ドル/約2兆4536億円
5位 アルトリア・グループ(米)189億ドル/約2兆3513億円
6位 レイノルズ・アメリカン(米)107億ドル/約1兆3673億円
7位 ITC(インド)63億ドル/約8050億7193万円
8位 グダンガラム(インドネシア)53億ドル/約6772億8274万円
9位 KT&G(韓)36億ドル/約4600億4110万円
出典:https://zuuonline.com/archives/125693
しれっと世界4位なんですね(笑)。ちなみに、2位のフィリップ・モリスは5位のアルトリア・グループの子会社なので、ここは事実上同じ会社であり、足すと世界トップです。(※正確には「旧フィリップ・モリス」がブランドだけ別会社化してスピンアウトさせたのが「新フィリップ・モリス」、その後「旧フィリップ・モリス」本体の名前を「アルトリア・グループ」に変えました。フィリップ・モリス以外の「マルボロ」ブランドなんかが本体に残ってます。)
これなら地球上に喫煙者がいる限りは商売できそうです。
堅牢な財政基盤
財務状況でいうと、特筆すべきは利益剰余金の多さです。2016年3Qベースで2兆2,830億500万円あります。あんまり聞いたことがない桁です(笑)。2兆円。ちなみに事業借入金は6354億8800万円です。つまり、もし何かあっても借入金はその場で返せるぐらいの規模です。前期の「EPS(一株あたりの利益)」が270.4円。配当で128円。ガッチガチです。これですね、よほどの大不況が来ても、しばらくはなんとかなっちゃう規模です。デカすぎ。
しかもJTはこの余りまくっているお金をちゃんと新規事業につかえています。2015年に赤字になっていた飲料事業を切り離し、現在は医薬品事業と食料品事業(冷凍食品とパン屋)を行っています。両事業ともまだまだの規模ですが堅調に推移しています。個人的には新規事業をやめてEPSを全部配当で還元してほしいですが(笑)、これはこれでいいでしょう。
現在の株価
私が買った3836円/株だと、PERが約18.5倍です。気持ち高いですが、私は安全マージンがあると見ています。現在の状況なら下がっても3,000円までだと思いますし、為替の影響もそこまで大きくありません。2016年1月をど天井にして今年は一直線に株価が下がっていますが、問題ないと踏みました。
日本たばこ産業の懸念点
未来の懸念点としては、東京オリンピックを控えてのタバコのポイ捨て厳罰化による消費の萎縮と、健康保険料の圧迫により国から重税を課せられるパターンです。さらに言うと、どうしても健康を害する商品なので訴訟リスクがあります。実際1990年代はフィリップ・モリスがだいぶ訴訟でやられました。そういった意味ではある程度内部留保で現金をもっておくというのも保険としてありかも知れません。
でも私は喫煙者の方のラブパワーを信じています(笑)。大丈夫。彼等は1箱5,000円になろうがポイ捨てで罰金取られようが懲りるワケがない!そんなんで懲りるようならもうとっくに吸ってない(笑)!
ということで、私の2017年NISA枠の一発目は、好きなんだか嫌いなんだかよくわからないタバコ銘柄の「日本たばこ産業(2914)」100株でした。