野菜価格の高騰 ーまたはラーメンの値上げとひぃひぃじいちゃんのヘソクリ

おはこんばんにちは。きゅうべいです。

今日はyahooニュースのこんな記事をネタに雑談です。

野菜価格の高騰、1月はキャベツなど落ち着く見通し
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6226611

マジで物価が上がってきている

上のyahooニュースの記事では、野菜価格の高騰について触れられていました。これ本当に実感がありまして、行きつけのラーメン店のキャベツトッピングの値段が80円から100円に上がったんですよ。いままで中盛キャベツラーメンが820円だったのが、840円になっちゃいました^^;そうなんです。よく「インフレが~」とか「物価が上がって~」とかいうんですが、全然他人事じゃないです。

そもそもお金って何?

皆さん「お金」は好きですよね(笑)? かくいう私もわりと好きな方です(笑)。でも、普段から「お金って何?」ってあんまり深く考えないと思います。

いま手元にお財布がある方は、1000円札を見てみてください。お金のオモテ側、野口英世先生の反対側に「千円」と書いてあります。その上を見てください。「日本銀行券」と書いてあります。さらにその右下に赤いハンコが印刷されています。ここには「総裁之印」と難しい字で書いてあります。

そうなんです。皆さんが大好きなこの「お金」は、日本銀行の総裁(=黒田氏)が責任をもって発行している「日本銀行券」という”紙っぺら”なんです。あなたが子供の時に作ったに違いない「肩たたき券」と同じです。もっというと、マクドナルドが発行している「割引クーポン券」とも同じです。あくまでも「日本銀行」が発行している”紙っぺら”です。

かつては、「金本位制(きんほんいせい)」という制度がありました。この制度の下では、お金を日本銀行に持っていくと、その時の時価相当の「ゴールド」と交換してもらえました。つまり「お金」は「日本銀行が発行する”ゴールド引換券”」だったんですね。だからこそ「お金」が「富」を表す単位として流通したわけです。ところが1971年のニクソン・ショックで、アメリカがドルとゴールドの交換を止めます。そしてそれにならって、日本でも金本位制を1978年に止めました。そうすると、いま流通している「日本円」というのはもはや何者でもないわけです。それまでは「日本銀行が発行する”ゴールド引換券”」だったのに、いまでは「日本銀行が発行する格好いいメモ用紙」です。

ではなぜ皆「お金」をありがたがるんでしょうか? それは世界的な暗黙の了解として「お金があれば物々交換ができる」となんとなくみんなが思っているからです。

現代において、お金は「ゴールド引換券」ではなく、「ある価値の証明」という概念です。会社で働いたりバイトをすることによって、皆さんは自分の「時間」を売って「お金」を貰います。お給料に違いがあるのは、「会社が人の”時間”をいくらで買ってくれるか」が違うからです。それは年齢や能力や会社への貢献度によって「あなたの”時間”」を値付けされているということです。そして「時間」と交換した「お金」を使って、あなたはさらに「別の価値」を手にすることが出来ます。それは「他人の”時間”」であったり、「物理的なモノ」であったり、はたまた「価値ある体験」であったりします。このようにして、人間は「お金」という中間媒体を使って価値を交換していくわけです。

景気が良くなると、物価が上がる

皆さん、「景気が良くなると物価が上がる」という現象についてご存知でしょうか? 「当たり前じゃん!」と思う方が多いと思うんですが、実はこれにはとても重要なロジックが隠されています。

物価とは?

上の項目で書いたように「お金」はあくまでも価値を交換するための「中間媒体」です。ですから「どのぐらいの割合で”お金”と”価値”を交換できるか?」というレートが重要になります。このレートのことを「物価」と言います。

たとえば、明治初期にあなたのひぃひぃじいちゃんが2,000円持っていたとしましょう。当時2,000円あると東京のど真ん中に100平米の家が建てられました。もし、ひぃひぃじいちゃんが家を建てていたとすると、あなたには今、都心の一等地に100平米のお屋敷が遺されています。今の価値では6,000万円相当です。あなたは人生の勝ち組です(笑)。

ところが、もしひぃひぃじいちゃんがその2,000円を銀行に貯金していたらどうでしょうか?複利の効果はありますが、せいぜい数万円です。これでは1ヶ月の駐車場代で消えてしまいます。悲劇です。

なぜこの違いが生まれるのでしょうか? それは「どのぐらいの割合で”お金”と”価値”を交換できるか?」というレートが劇的に変わったからです。額面は同じ「2,000円」でも、明治初期と平成の今では交換できる価値が大きく違います。あくまでも額面は同じ「2,000円」です。

これが物価の変動でありインフレです。

景気が良くなるとは?

景気が良くなるということは、国全体で「お金を増やす力」が増えることを意味します。ある会社が1,000万円の元手を使って1年間事業を展開したとき、1,200万円に増やせるか、2,000万円に増やせるか、どちらが景気が良いでしょうか? 当然いっぱい儲かっている後者の方が景気が良いです。社会全体の景気が良くなるということは、社会全体の「お金を増やす力」「利益を生み出す力」が強くなっているということです。しかし、必ずしも国内の「価値」の総量が増えるとは限りません。国内の「お金の量」が増えているにも関わらず「価値の総量」がそこまで増えていないとしたら、「お金」と「価値」のバランスが崩れ、「価値」にプレミアムが付くようになります。これが物価上昇でありインフレです。明治初期では「一戸建て」と「2,000円」が交換できたのに、いまでは「6,000万円」とじゃないと交換出来ないわけです。

もし日本が完全に鎖国をすればこのインフレは起きません。しかし他国との貿易がある限り、「お金」と「価値」のバランスが完全に並行のまま成長する事はできません。これを「インフレターゲット」と呼びます。日本ではこの「インフレターゲット」を2%目標としていますから、「今年100円で買えたものが来年は102円になるかわりに、お給料も2%アップする」という社会を理想としていることになります。社会全体として、「お金」の「価値」が2%ずつ下がっていくということです。ですから、もし「インフレターゲット2%」を達成した時に「銀行の預金金利」が年利2%無かったら、あなたのお金は銀行口座の中でどんどん価値が下がっていくことになります。先程の例で言うと、ひぃひぃじいちゃんが2,000円を銀行に預けてしまっていたら、一軒家どころか駐車場の一ヶ月レンタル代にしかならないわけです。

インフレ・物価高に負けないために

ではこれを防ぐにはどうしたらいいでしょうか?

もし今のベネズエラのように「インフレ」が政情不安によって発生しているとしたら、それに対抗するには物理資産しかありません。金の延べ棒や不動産です。こういうのを投資用語では「コモディティ」と言います。コモディティは、時代がかわっても価値が変わりにくいものとして選ばれます。スポーツを見ていると黒人選手が金のネックレスをしてるのをよく見ると思います。あれはモロにこのインフレ対策です。

幸い日本は経済的には安定していますから、こういった政情不安で円がハイパーインフレになるっていう可能性は限りなく低いです。その場合、最も良い対抗手段は「株式投資」です。上の「景気が良くなるとは?」で触れたように、政策としてのインフレはあくまでも「国全体で”お金を増やす力”が強くなる」ことで起こります。そしてこれは「個々の企業が利益を生み出す力が増える」ことを意味しており、つまりは国内各社の業績が良くなることにほかありません。業績が良くなれば、株価は上がり、配当も増えます。ですから、政策としてコントロールされている限りは、インフレターゲットよりも株式投資のリターンの方が高くないとオカシイんです。だから、先進国における最大のインフレ対策は自国経済への投資であり、株式投資です。

まとめ

とまぁ野菜の話から随分遠いところまできちゃいました(笑)。投資は「資産形成」はもとより「資産保持」にとっても大切です。もちろん「お金をいっぱい増やしたいのか」と「インフレに負けないように資産の価値を維持したいのか」では取りうる投資戦略が変わります。後者の場合、インデックス投資が一番無難ですし、前者の場合は個別株へバンバン集中投資することになります。

是非皆さんも、物価上昇に負けないように、資産形成をしていきましょう。私も頑張ります(笑)。

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