おはこんばんにちは。きゅうべいです。
突然ですが、皆さんタブレット端末ってお持ちでしょうか?無くてはならない必需品だって方もいますし、人によっては所詮は「デカいだけのスマホ」なんだから要らないって方もいると思います。かくいう私は、かれこれ10年ぐらい何だかんだいつもカバンに忍ばせています。いままではタブレットはAndroid派だったのですが、つい先日発売されたばかりのiPad Air 4を勢いで購入しましたので、今日はAndroidとiOSの比較を中心に、タブレットの話をしたいと思います。
いきなり結論:タブレットはデカいだけのスマホ
いきなり結論です(笑)。冒頭に「タブレットはデカイだけのスマホだ」って書きました。これ正にそのとおりです。AndroidタブレットだろうがiPadだろうが、スマホ用とOSが(ほとんど)同じである以上、基本的な「出来ること」は同じです。最近は端末のCPUやメモリもスマホとタブレットで共通だったりしますので、処理能力もほとんど変わりません。
じゃあスマホがあれば要らないじゃないかって話なんですが、この「デカい」というのは結構重要な要素なんですね。単純に一画面あたりの情報量が増えますし、動画やらを見るにも迫力が全然違います。
私のタブレットの活用(1):本の電子化 & 電子書籍
実は私がタブレットを買うキッカケになったのは、ちょうど10年ぐらい前に部屋にあふれる3000冊強の漫画やら小説やらを電子化しようと思ったことなんです。(※これをネットスラングで自炊といいます。) 漫画や小説を小学校にあるような裁断機で解体したあとスキャンして画像ファイルにしていくわけですが、そうするとスマホで1画面1ページで表示するとだいぶ小さくなっちゃうんですね。 ジャンプやマガジンなんかの少年コミックスでだいたい幅113mm・高さ176mmですから、6インチのスマホに表示すると現物比で60%ぐらいのサイズになってしまいます。さすがにこまかすぎて楽しめません^^; これがだいたい8インチで画面比率4:3のタブレットだと、漫画ならほぼ等倍、小説本なら1.5倍くらいの大きめ、ハードカバー単行本で9割サイズぐらいで程よく表示ができます。8インチタブレットっていうとちょうどiPad miniのサイズで、その対抗商品がAndroidでも出ています。また、Amazonプライムのおまけで付いてくるKindle Prime Readingの雑誌なんかも快適に読めます。
これ普段使いのみならず旅行に行くときは本当に便利です。タブレットにガイドブックを入れてOCR(=文字認識)を掛けておけば、手軽に検索・閲覧ができます。
私のタブレットの活用(2):映画やドラマの視聴
本を自炊するぐらいですから、当然映像についてもデジタルライブラリ化しています。持っているDVDは一通りエンコードしてNASに突っ込んでおり、家の中ならどこでもDLNA経由で見れるようにしています。前回ゲームの話でも「ライブラリ化」という単語を使いましたが、まさにこのライブラリ化の一番のメリットって検索性と網羅性なんですね。物理的なDVDだと探すのに本棚を漁らないといけませんが、ライブラリ化さえしちゃえば思いついたら検索一発ですぐ再生できます。大変なのは取り込む最初だけです。また、動画については最近はAmazon プライム・ビデオをフル活用しています。仕事でアニメの話になったときも検索すれば大抵すぐ出てきますし、タブレットなら洋画の字幕も特に支障なく見れます。
あまりに便利すぎて、最近はめっきりTSUTAYAに行くこともなくなりました^^;
私のタブレットの活用(3):簡易パソコンとして
タブレットサイズになるといわゆるPC用デザインのサイトを見るにも余裕たっぷりですし何よりエクセルもそれなりに使えます。ですから喫茶店でのちょっとしたデータ整理や暇つぶしのWEB徘徊なんかはタブレットを使っています。さらにBluetoothキーボードを使えば文章を打つのも楽ちんです。まぁ最近ブログを書いてないんでキーボードはあんまり使ってないんですけどね^^;。
またAndroidでもiPadでも、いわゆる画面分割・スプリットビューが使えます。横向きにして、左にWEBブラウザ、右にメモアプリなんて使い方も出来て、ちょっとしたパソコン的な作業ができます。もちろん左半分にYoutube、右半分にWEBブラウザか2ちゃんブラウザを置けば、ダメ人間セットの出来上がりです(笑)。
使ってみたAndroidタブレットとiPad Air 4の違い
さてここからが本題です。
つい最近までメインタブレットとして使っていたのはASUSの「Zenpad 3 8.0」 (Z581KL)です。これと買ったばっかりのiPad Air 4を使ってみて、その両者の違いを見ていきたいと思います。OSの話と機種固有の話が混ざりますがご容赦ください。
OSの設計思想が全然違う
AndroidタブレットとiPadを両方使ってみて一番実感したのは、その設計思想の違いです。具体的にはストレージやアプリ間のデータ連携の部分ですね。
Androidタブレットは良くも悪くもパソコンライクです。Windowsでいうマイコンピュータ的なストレージが土台にあってその上にファイルが保存されており、このファイルを基準としてアプリを使うって感じです。そのファイルを何のアプリで開くか。そのアプリで何のファイルを保存するか。パソコンでいうファイルをダブルクリックしてソフトを立ち上げるみたいな感覚で、何をするにも「ファイル」がまず来ます。
一方のiPadは何をやるにもしても「アプリ」が基準です。「このアプリはこういう事をするアプリ」という決まった役割がアプリ毎にあって、それ以外の自由度は有りません。そしてアプリ同士の連携が原則出来ません。一応最初から「ファイル」という名前のエクスプローラー/ファイラーアプリがあるのですが、必ずしも全てのアプリがこの「ファイル」に対応しているわけではないので、連携はとても不便です。
例えばサーバーから本のデータを端末に保存して、それをビューアアプリで読むとしましょう。
Androidの場合は、ファイラーアプリ(Windowsで言うエクスプローラーみたいなやつ)でNASやFTPサーバと接続してデータをビューアアプリ用のフォルダに保存します。後はビューアアプリを開けばすぐ見れます。これを応用して、例えばgoogleドライブと同期しているフォルダをビューアで予め指定しておけば、googleドライブアプリで「オフラインで使用する」を押すだけで完全同期ができます。すごくパソコンっぽいですね。
ところがiPadの場合はこうはいきません。iPadではアプリ間でデータの移動がまともにできないので、予めFTPやNASとの接続に対応したビューアアプリを使って、アプリ内で完結する必要があります。私はComic Glassという有料アプリを使っているんですが、正直サーバに関連した機能面でだいぶ不満があります。最低限のコピー機能ぐらいしかないので、ガッツリ整理しようとすると物凄い面倒なんですね。もちろん前述した「ファイル」アプリでGoogleドライブやFTP程度の最低限の機能はありますから、ライトな使い方であればそこまで支障は無いかも知れません。ただ、例えばセキュリティを考えてクラウドストレージで自前のown Cloudを使いたいとなると、途端にiPadでは手も足も出なくなります。
逆説的に言えば、iPadは不便なかわりに「アプリ間を連携させたデータ流出」がまず起きませんので、変なマルウェアやウィルスソフトは相当作りにくいはずです。これを「セキュリティが安心」と捉えるか「不便だ」と捉えるかは人それぞれだと思います。正直自分は不便を感じます。ただ、例えばあまり機械に詳しくいないライトユースな両親に勧めるのであれば間違いなくiPadですし、ネットバンクやオンライン証券のような重要な金融系のアプリを使うのであればこれも間違いなくiPadを選びます。
Appleはストレージ商法がエグい
これは良く言われますね。Appleはストレージ商法でボリ過ぎです(笑)。
私はタブレットを書籍リーダーとして使っていますから、容量はかなり大事です。そんなわけで、Zenpadには512GBのmicroSDを挿しています。昨年あたりに秋葉原のテクノハウス東映で買ったSanDiskのもので、確か当時1.2万円ぐらいでした。今だと同じものが7,000円ちょいで買えます。これがiPadになりますと、microSDが使えない上にiPad Air 4 64GBで69,080円、256GBにしただけで87,780円です。192GBの内部ストレージに18,700円の追加費用です。アホかと。しかも256GB以上の容量が欲しい場合はiPad Proという上位機種に行かないといけません。さすがにやりすぎです。一応iPad Air 4 ではType-C接続の外付けSSDが使えるという逃げ道もありますが、外付けをぶら下げるってのはいかにもスマートじゃありません。ケーブルでぶら下がったSSDなんてAppleの訴求する「オサレさ」とは真逆のベクトルでしょう(笑)。とはいえ背に腹は代えられないので、私はiPad本体は64GBにして外付けとしてSamsung T5の 1TB SSDを買いました。
アプリケーションの自由度が全然違う
3つ目の大きな違いはアプリケーションの自由度です。最近EpicゲームがApple Storeの取り分で揉めて突っかかってましたね。
iPad(というかiOS)の場合、アプリはすべて公式の「App Store」を通さないといけません。ですから、例えばYoutubeの動画を保存するアプリや、PSゲームのエミュレータなど、グレーゾーンギリギリを攻めるアプリはiPadでは利用出来ません。(※いや実際はそういうアプリもあるんですけどね、、、えぇ知ってますとも^^;) これがAndroidになりますと野良アプリが入れ放題です。アプリの開発者の公式サイトからapkをダウンロードしてきてそのまんまインストール出来ます。結果的に、ちょっとした便利ツールみたいなものはAndroidのほうが遥かに充実しています。
あとですね、やっぱ不満なのはアプリ内課金の問題ですよね。これ散々言われていますが、amazon Kindleの場合、iPad版はアプリから本が買えません。App Storeへの上納金の絡みで本当に不便です。
Bluetoothで聞く音楽の音質が全然違う
4つ目はBluetoothイヤホンの接続規格の話です。もしかしたら皆さんあまり意識しないところかも知れません。
Bluetoothイヤホンで音楽を聞く時、Bluetoothの帯域の問題でかならず裏で圧縮作業が発生しています。端末本体で圧縮して、Bluetoothの無線を通って、そしてイヤホンで戻してるんですね。この圧縮コーデックの規格は、2020年現在で大きく4種類あります。
・最もベーシックだけど音が悪いSBC
・Apple得意のAAC
・Android得意のaptX
・Qualcomm渾身のaptX HD
iPad/iPhoneではSBCとAACが使われており、AndroidではSBCとaptXが使われています。音質で言えばAACよりaptXの方が良く、遅延も少ないです。さらにAndroidのQualcomm CPU機種限定でaptX HDという最上位規格があり、これはハイレゾ音源にも対応しています。私のZenpadはQualcommのSnapdragon 650搭載機ですが、ちょっと古いので対応はapt-X止まりです。さらにここ2年ぐらいに出ている新しいQualcommチップでは左右分離イヤホンのそれぞれが同時並行で本体と通信するようになっており、接続安定性と遅延が劇的に改善されています。(※Qualcomm TrueWireless Stereo Plusという規格です。)
今回買ったiPad Air 4はiPhone同様にイヤホン端子廃止されてしまったので、特に映画を見る時なんかはこのBluetoothの接続規格がダイレクトに響いてきて、ちょっと不満です。
タッチペンの使い勝手が全然違う
これはiPad Air 4を買って一番満足しているポイントです。とは言っても、さすがにタッチペンに1.5万円は躊躇われますので、実は純正のApple Pencilじゃなくてamazonで中華互換品の「mpio タッチペン デジタルペンシル (第三世代) 」ってやつ(※セールで3000円くらい)を買いました。 ちなみにいままでZenpadでは先端に金属板が付いているだけの「ディスク型静電式タッチペン(500円くらい)」ってのを使っていました。
この2つですが、使い勝手が全然違います。iPadには「パームリジェクション機能」というのがあって、モニタに手を付きながらでも書けるんですね。これ感動しました。紙に文字を書く時ってだいたい手の外側側面を接地させて書くじゃないですか。普段から書道みたいに肘を上げながら書いてる人ってあんまりいないと思います。ところが普通のタブレットって手が触れているとタッチペンが使えないんですね。だから文字を書くのに手を浮かせないといけなくて、その独特の動きが本当にストレスなんです。本気でイラストを書く人なんかは手の外側半分だけ覆う専用手袋を使うほどです。この「パームリジェクション機能」のおかげで、気軽にメモを書くようになり、まんまと有料アプリの「GoodNotes 5」を買いました(笑)。
本当はセキュリティ上だめなんですが、最近は仕事でチラシやWEBページの赤入れをするときこっそり私物のiPadを使っていて、タッチペンが大活躍しています。
さいごに
とまぁ脱線しながらズラズラと違いを見てきました。個人的な感覚で言えば、コンテンツを消費する(=WEBを見る、動画を見る、本を読む)使い方であれば、アプリ間の連携ができるAndroidタブレットのほうが使い勝手は良かったです。ただその分荒削りというか、「洗練さ」みたいなものは有りません。一方のiPad Air 4は使い勝手は多少悪いものの、セキュリティ的な部分だったりタッチペンだったり、あとは単純な見た目の格好良さであったり、そういったトータルプロダクトとしては凄いよくまとまってる=洗練されているなと思いました。正直満足度で言えばiPad Air 4は相当高いです。(※買ったばっかりですから多分にバイアスが掛かっています)
いまのところ普段の持ち歩きはiPad Air 4にしてZenpadは一旦お蔵入りさせています。不便さに耐えきれなくなったらZenpadに戻りますが、たぶんそんな日は来ない気がします。この「多少不便でも自分がデバイスに合わせようかな」と思わせるあたりがApple製品のブランド力というか魅力なのかなと改めて思いました。